ICL手術の失敗・失明リスクは?最新データで徹底解説
ICL手術で失敗しないか不安に感じる方は少なくありません。実際に「ICL 失敗」「ICL 失明リスク」といった言葉を耳にします。
しかし、ICL(有水晶体眼内レンズ)手術は医学的に確立された安全性の高い視力矯正手術です。そのため、ICL手術で失敗や失明につながるケースは極めて稀と報告されています。
本記事では、ICL手術における失敗率や合併症リスクについて最新データをもとに詳しく解説します。
さらに、ホールICLによる安全性向上のポイントや、安心して手術を受けるための注意点も紹介します。
この記事を書いてくれたのは...
ICL手術に失敗はあるのか?
1. ICLの失敗率はどれくらい?
ICL手術の失敗率は約1.5〜3%未満と報告されています。
「3%も?」と思われる方もいると思いますが、この「失敗」には、手術後に視力が十分出ずレンズ交換が必要になるケースが含まれます。
実は、失明のリスクはほぼ0%であり、眼内感染症(眼内炎)の発生率も0.02%程度とごく稀です。つまり、統計的に見てICL手術が深刻な失敗につながる可能性は極めて低いと言えます。
2. ICLで失明する可能性は?
ICL手術で失明したという報告はありません。失明リスクは限りなくゼロに近いとされています。
しかし、手術である以上絶対に0%とは断言できません。
そのため、ICL手術では万一の感染症リスクに備えた衛生管理が重要です。
特に術後しばらくは傷口からの感染を防ぐ必要があります。術者は無菌環境で手術を行い、患者様も術後の点眼や眼を清潔に保つケアを厳守します。その結果として、現実的にはICLで失明に至るケースはほぼ皆無となっています。
日本白内障屈折矯正手術学会(JSCRS)も「ICL手術で失明することはまずありません」と公式に述べています。したがって過度に心配する必要はありません。
ICL手術のリスクと合併症
ICL手術は安全性が非常に高いものの、わずかに合併症リスクが存在します。
しかし、その多くは適切な対処で防止・軽減でき、重篤な事態に至ることは稀です。
ここではICL手術後に起こりうる主なトラブルとリスク、そしてその発生率や対策について解説します。
1. 感染症(眼内炎)
術後の感染症発生率は0.01〜0.02%程度とされ、極めて稀です。
しかし、術後のケアを怠ると傷口から細菌が侵入し感染を起こす恐れがあります 。
そのため、手術後は医師の指示通りに点眼薬を使用し、目をこする・触れる、水に濡らすなどの行為を避けることで感染リスクをほぼゼロにできます 。
万一感染が起きても早期に治療すれば失明には至りません。
2. 白内障
ICLレンズが水晶体に長期接触すると白内障を誘発する可能性があります。
ただし現在主流のホールICLでは白内障のリスクは大幅に低減されており、その発生率は約1%程度まで低下しています。
仮に術後に白内障が生じても、ICLレンズを取り外して通常の白内障手術を受けることが可能です 。
したがって「ICLを受けたせいで将来の白内障治療ができなくなる」という心配もありません。
3. ハロー・グレア現象
手術後、夜間のライトがにじむ「ハロー・グレア」を感じる人がいます。
ICL手術では約半数程度の患者が術直後に軽度のハロー・グレアを自覚しますが、多くは時間とともに軽減し、日常で気にならないレベルになります。
さらに、近年は**光学部が大きいEVO+レンズ(最新モデル)**が採用され、旧モデルよりハロー・グレアが起こりにくく改良されています。
結果として、ハロー・グレア現象が強く残るケースは稀です。
4. レンズの位置異常
ICLレンズは虹彩と水晶体の間で安定するよう設計されています。
そのため目をぶつけた程度ではレンズがずれたり外れたりする可能性はほぼありません 。
まれに強い衝撃でレンズが回転する報告もありますが、その際も再手術で位置調整が可能です。
日常生活で過度に心配する必要はないでしょう。
5. 緑内障・眼圧上昇
ICL手術直後に一時的な眼圧上昇が起こることがありますが、通常は点眼治療で速やかに改善します。
また、旧型ICLでは術前に虹彩に穴を開ける処置(レーザー虹彩切開)が必要でした。
しかし、ホールICLの登場により眼内の液体循環が確保され、術後の急性眼圧上昇(虹彩ブロック)のリスクは極めて少なくなりました。
定期検診で眼圧チェックを続けることで、慢性的な緑内障リスクも管理できます。
ICL手術で失敗を防ぐためのポイント
経験豊富な医師を選ぶ
ICL手術は高度な技術を要するため、執刀できるのは所定の研修・試験を経た「ICL認定医」に限られます 。
また、ICLの資格には、「認定医」、「インストラクター」、「エキスパートインストラクター」の3種類があります。
違いが気になる方は以下の記事をご参照ください。
ICLにおける医師の資格とは?医師が徹底解説!
MyICLでは医師の資格でクリニック検索が可能です。
興味のある方は以下より検索してみてください!
術後のケアと定期検診を徹底する
ICL手術後のアフターケアをきちんと行うことも、失敗や合併症を防ぐ重要なポイントです。
術後数週間は感染症予防のための点眼や生活上の注意を守る必要があります。
特に、目をこする・汚れた手で触る・洗顔や入浴で目に水が入る、といった行為は厳禁です 。
これらを守ることで感染リスクはほぼゼロにでき、結果としてICL手術の安全性はさらに高まります。
また、術後定期検診を受けることも忘れてはいけません。
術後1日目・1週間・1ヶ月・3ヶ月…といったスケジュールで検診が設定されており、そこで眼圧や視力、レンズ位置、角膜の状態などをチェックします。
定期検診により万一の異常も早期に発見・対処可能です。
例えば、レンズの度数が合わず視力が出にくい場合でも、術後早期に分かれば無料でレンズ交換を対応するクリニックも多くあります。
術後の経過に不安がある時は自己判断せず、早めに担当医に相談しましょう。
適切なアフターケアとフォローアップによって、ICL手術の恩恵を最大限安心して受けることができます。
まとめ
ICL手術は高度近視の方でも視力回復が可能な先進的治療でありながら、失敗や失明のリスクが極めて低い安全な手術です。
実際に世界では累計300万枚以上のICLレンズが使用されており、日本でも視力矯正手術の約70%がICLを占めるまでに普及しています。これらの実績がICLの安全性と信頼性を裏付けています。
とはいえ、リスクがゼロではない以上、正しい知識に基づく準備とアフターケアが重要です。
経験豊富な認定医のいるクリニックで十分な術前検査を受け、自分が適切な候補か確認しましょう。





