ICL手術後の過ごし方と注意点
ICL(眼内コンタクトレンズ)は安全で日帰り可能な視力矯正手術です。
しかし、術後の過ごし方にはいくつか注意点があります。
術後ケアを正しく行えば、快適な視力を維持しトラブルを防げます。そのため、本記事ではICL手術後の過ごし方について、時期ごとの生活のポイントや術後の注意点を分かりやすく解説します。
たとえば洗顔やメイクはいつからOKか、運動や仕事復帰のタイミング、そして術後に気をつけるべきポイントなど、疑問や不安を一つずつ解消していきます。
この記事を書いてくれたのは...
ICL手術直後の過ごし方と初期ケア
1. ICL手術当日
ICL手術直後(当日)は目に違和感やぼやけを感じることがあります。
これは正常な反応ですが、まずは安静に過ごすことが大切です。
そのため、手術当日は出来るだけ自宅でゆっくり休みましょう。
例えば手術当日は麻酔や点眼の影響で視界が安定しないため、車の運転は禁止です 。
公共交通機関や付き添いの方と一緒に帰宅し、帰宅後は目をこすらないよう注意して静かに過ごしてください。
2.手術翌日の検査と術後1日目の注意点
手術翌日には必ず術後検診があります 。そのため、術後翌日までは仕事や学校を休みにしておきましょう。
翌日の診察で医師が目の状態を確認し、視力や眼圧のチェック、傷口の回復具合などを検査します。
術後は炎症を抑える点眼薬や内服薬が処方されており、翌日から本格的に使用を開始します 。
医師の指示に従って決められた期間きちんと点眼・服薬することが、感染症予防と回復促進に不可欠です。
ICL術後1週間までの生活と注意点
ICL手術後の最初の1週間は、回復を左右する大事な期間です。
徐々に日常生活へ復帰することは可能です。
この期間の生活の注意点を把握しておきましょう。
1. 洗顔・入浴はいつから可能?
洗顔・洗髪・入浴は術後しばらく制限があります。
基本的に手術当日~翌日は顔を水で濡らさないようにし、洗顔やシャンプーは控えてください 。
術後2~3日目からは、医師の許可を得て顔を拭く程度の洗浄や、お湯で濡らしたタオルで目元を避けて拭くことは可能です 。
本格的に洗顔・洗髪ができるのは術後4日目以降が目安とされることが多いです 。いずれの場合も目に石鹸やシャンプーが入らないよう細心の注意を払いましょう。
入浴(湯船に浸かること)は術後約1週間は控えてください 。
シャワーは首から下であれば手術当日から可能ですが、湯気で目が潤んだりしないよう短時間に留めます 。術後間もない時期に温泉やサウナに入ると血行が良くなりすぎて炎症を助長する恐れがあります。
そのためサウナや温泉は少なくとも術後1~2週間は禁止し、できれば1ヶ月程度経過してからにしましょう。目を清潔に保ちつつも、水が目にかからないよう気を配ることが大切です。
2. 車の運転
車の運転については、視力が安定するまで控えるのが原則です。
一般的な目安では術後3日程度から運転再開が可能とされています 。
しかし、夜間運転はハロー・グレア現象(光がにじんで見える)が出やすいため最低1週間ほどは夜間運転を避けるほうが安全です 。
そのため、日中でも運転再開は医師の許可を得てからにしましょう。
また術前にメガネが必要だった方は、ICL手術によって視力矯正された後に運転免許証の条件(眼鏡等)が変更になる可能性があります 。
したがって視力回復後は速やかに免許の条件変更手続きを行うこともお忘れなく。
ICL術後1ヶ月までの過ごし方
術後1週間を過ぎると目の状態も安定し始め、生活の制限も緩和されていきます。
そこで術後1週間~1ヶ月に再開できる代表的な項目について解説します。特にメイクやスポーツなど再開時期が気になるポイントを確認しましょう。
メイク・カラーコンタクト
アイメイク(目元の化粧)は術後1週間は厳禁です 。
マスカラやアイシャドウ、アイライナーなどは目に異物が入り感染の原因となりやすいため避けてください。
術後1週間後の検診で問題なければ目元のメイクを再開できます。それまではベースメイクや目元以外のメイクであれば、術後2日目以降から注意しながら可能です 。
例えばファンデーションや口紅は翌日検診後からOKですが、落とす際も目を擦らないよう注意しましょう。
スキンケアも目元を避ければ当日からできますが、クリームや洗顔料が目に入らないよう慎重に行います 。
目元のスキンケア(アイクリームなど)は感染予防のため1週間程度控えてください。
ICL手術後は基本的にメガネやコンタクトレンズは不要ですが、おしゃれ用のカラーコンタクトを使用したい場合も注意が必要です。
一般には術後1ヶ月経ってからカラーコンタクトの装着が許可されます 。
これはレンズ装用時の衛生リスクを考慮するためで、それ以前は目に負担をかけないよう避けましょう。
運動の再開
軽い運動であれば、術後比較的早期に再開可能です。
たとえばジョギングやウォーキング、ゴルフ程度の軽い運動は術後1週間ほど経てば許可されます 。
一方で、激しいスポーツや水泳は注意が必要です。術後はまだ感染リスクが残るため、プールや海での水泳、激しい接触スポーツは最低1ヶ月間は控えてください 。
水泳は水中で菌に感染する恐れが高いため術後1か月検診で問題なしと確認できるまで禁止が基本です。
またコンタクトスポーツ(ボクシング等)や球技でボールが顔に当たる可能性がある競技も、目の内部が完全に治癒する術後約1~2か月間は避けるのが無難です。
飲酒の再開
飲酒についても術後すぐは控えましょう。
アルコールは血行を促進し炎症や充血を悪化させる可能性があります 。
一般的には術後3日程度は禁酒するよう指導されます 。
術後経過が順調であれば4日目以降に少量から再開できますが、目薬との相互作用も考慮し、できれば術後1週間は節酒する方が安全です 。
また喫煙に関しては術後すぐ禁止とはされませんが、副流煙やたばこの煙が目に入ると刺激となるため、できるだけ禁煙・分煙に努めると良いでしょう。
ICL手術後の合併症リスクと長期ケア
ICL手術は非常に安全性の高い手術ですが、術後のケアを怠らないことが何より重要です。
しかし、正しい対策を取れば重大な合併症はほとんど防げます 。ここでは術後に起こりうる代表的な症状と、長期的な目の健康管理について解説します。
感染予防
感染症(眼内炎)はICL術後に最も注意すべきリスクです。
とはいえ発生率は世界的に約1/6000症例と極めて稀であり 、過度に心配する必要はありません。
重要なのはリスクをゼロに近づけるための予防策です。そのため、術後少なくとも1週間は保護メガネ(ゴーグル)の着用が推奨されます 。
外出時はもちろん、就寝時にも保護メガネや眼帯を装着しておくと無意識に目をこするのを防ぐことができます 。
特にホコリやゴミが目に入ると感染の原因になるため、外出時はサングラスや花粉防止メガネで目を守ると安心です 。
また、医師から指示された点眼薬(抗生剤・抗炎症剤)は指示通りの回数・期間でしっかり使用しましょう 。
点眼の際は必ず手を石鹸で洗浄し、容器の先が目やまつ毛に触れないよう気をつけます 。
目薬をさぼったり早めに中止すると感染や炎症のリスクが高まります。
したがって症状がなくなっても処方された期間は点眼を続けるようにしてください。
術後の定期検診
ICL術後は定期的な検診が組まれています。
標準的な通院スケジュールは、手術翌日・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後といった頻度です 。
その後は6ヶ月後や1年後など徐々に間隔をあけつつ、少なくとも術後1年間で数回の検診を受けるのが一般的です 。
経過が順調でも、医師が指示した検診日は必ず受診しましょう。
症状がなく順調に思えても、眼圧の変動や角膜の状態など本人が気づかない変化を医師がチェックすることが大切です。
まとめ
ICL手術後の過ごし方について、期間ごとのポイントと注意点を解説しました。
一番大切なのは、医師の指示通りの術後ケアを行うことです。
そのため、点眼薬の使用や保護メガネの着用など医師から指示されたことは必ず守ってください。
さらに、違和感があれば早めに相談し、定期検診も忘れず受けましょう。
結果として正しい術後ケアを実践すれば、ICL手術によるクリアな視界を快適に楽しむことができます。
「裸眼で過ごせる喜び」を長く維持するためにも、術後の注意点を踏まえた生活を心がけてください。





