「保護メガネ」はICL手術後に必要?
ICL手術後に「保護メガネは本当に必要なの?」と疑問に思う方は多いでしょう。
視力が回復しクリアに見えるようになる一方で、術後の目はまだ非常にデリケートな状態です。ICL 手術後 保護メガネは、そんな回復期の目を守るための大切なケアアイテムなのです。
しかし、「いつまで着けるべき?」「寝るときも必要?」「普通のサングラスで代用できる?」など、具体的な疑問も少なくありません。実際、保護メガネの目的や着用期間は、医師やクリニックの方針によっても少しずつ異なります。
本記事では、「ICL 手術後 保護メガネ」の必要性や着用期間、そして日常生活での注意点まで、医師が分かりやすく解説します。
この記事を書いてくれたのは...
ICL手術後に保護メガネが必要な理由
ICLの手術後に保護メガネは本当に必要なのでしょうか。
一般的に、手術後はしばらく目はデリケートな状態です。
そのためICL手術後は保護メガネの着用が推奨されています。
特に最新のホールICL(中央に孔の開いたレンズ)は安全性が向上し、術後の眼圧上昇や白内障リスクが大幅に改善されています 。
しかし術後直後から回復期にかけては小さな切開創が残り、外部刺激や感染への注意が必要です 。
ここでは、なぜICL術後に保護メガネが必要なのか医学的な理由を解説します。
1. 外傷や接触から目を守る
まず術後の目を物理的な外傷から守るために保護メガネが有効です。
一方で術後直後はまぶたや目の奥がかゆく感じることもあり、無意識に目をこすったり触ってしまいがちです 。
その結果、目に傷がつくと眼内炎など重い感染症につながるおそれがあります 。
しかし保護メガネをかけていれば、こうした接触を防いで大切な目を守ることができます。
実際、米国FDA(食品医薬品局)も術後は医師の指示で保護用シールドを装用し、やめてよいと言われるまで続けるよう推奨しています 。
2. 感染症を防ぐための保護効果
術後の切開創が完全に塞がるまでの期間は、目が外的刺激に敏感で感染リスクが高まります 。
そのため細菌やウイルスの侵入を防ぐことが極めて重要です。
ICL手術では角膜に小さな切開を加えてレンズを挿入します。
したがって術後しばらくは傷口が残り、空気中のホコリや細菌、そして手で目に触れてしまうことで感染が起こりやすい状態です 。
保護メガネは物理的なバリアとなって目を守り、特に術後数日間に無意識に目をこすってしまうリスクを軽減できます 。
保護メガネの着用期間とタイミング
では、保護メガネはいつまで着けるべきか?術後の患者さんにとって大きな疑問の一つです。
しかし着用期間に「厳密な正解」はなく、目の回復状況や医師の方針によって多少異なります。
したがって主治医の指示を最優先しつつ、一般的な目安を把握しておくと安心です。
この章ではICL術後の保護メガネの着用期間と、就寝時や外出時などシーン別の推奨タイミングについて解説します。
1. 術後どのくらい着用すべきか
医学的には術後最低1週間の着用が推奨されています 。
特に初めの数日間はできるだけ長時間かけておくことが望ましいです 。
そのため多くのクリニックでは「術後3日〜1週間は必ず保護メガネを着用してください」と指導しています 。
2. 就寝時の保護メガネ着用
結論から言えば、少なくとも術後数日間(目安として2〜3日)は就寝時もメガネを着用することが推奨されます 。
その理由は先述のとおり、寝ている間に無意識で目をこすったり、枕や布団が目に当たってしまうリスクがあるためです 。
保護メガネ(アイガード)を掛けて眠れば、こうした不意の接触から目を守ることができます。
なお就寝用にはストラップ付きで外れにくいタイプや、クッション性が高く圧迫感の少ない素材の保護メガネを選ぶと快適です 。
3. 外出時や日常生活での使用
外出時も可能な限り保護メガネを着用することが望ましいです。
特に術後すぐは風に舞うホコリや花粉、人混みで他人と接触するなど、外出先には目に刺激を与える要因が多く存在します 。そのため通勤や買い物で屋外に出る際は意識的に保護メガネを活用しましょう。
一方で「家の中なら安全だろう」と思うかもしれません。しかし自宅内でも目をこする癖がある人は油断禁物です 。たとえ室内であっても掃除中のホコリや料理中の水はねなど目に刺激となる場面ではメガネを着けてください 。
このように日常生活でも臨機応変に保護メガネを活用し、術後の目を守りましょう。
その他にICL手術後の生活で気をつけること
洗顔・入浴・スキンケアの再開
ICL術後は当日から数日間、水や洗浄剤が目に入らないよう注意が必要です。
例えば洗顔や洗髪は術後2日目以降から開始するのが一般的な目安になります 。
特に傷口が安定するまでは顔をゴシゴシ洗ったり目を濡らしたりしないようにします。入浴(湯船)も術後数日は控え、体を洗う程度にとどめるかシャワー浴で済ませましょう。
スキンケアについては目の周囲を避ければ術後当日から可能です。ただしアイメイクやファンデーションなど直接目元に触れる化粧は少なくとも1週間程度控えるのが無難です 。
仕事復帰と運転の目安
仕事への復帰時期は仕事内容によって異なります。
デスクワークなど目に大きな負担をかけない作業であれば、術後翌日〜2日目から再開可能なケースが多いです 。
一方で屋外での肉体労働や粉塵の舞う環境での作業は、もう少し慎重に判断する必要があります。
できれば当日と翌日は安静に過ごし、3日目以降から徐々に普段の仕事に戻るのが理想です 。
「無理のない判断」が術後の安定につながるため、心配であれば医師の指示を仰ぎましょう
スポーツや運動の開始時期
運動やスポーツも術後すぐは制限が必要です。
軽いストレッチ程度であれば問題ありませんが、一般的にジョギングやゴルフなど軽いスポーツは術後1週間後から再開するのが目安です 。
一方、水泳や激しいコンタクトスポーツは最低でも術後1ヶ月程度は控える必要があります 。
特に水泳はプールの水から感染するリスクがあるため、焦らず十分な期間待つことが大切です。
完全に通常の生活に戻れるまで一般に1ヶ月程度かかるとされますので、焦らず段階的にアクティビティを増やしていきましょう。
まとめ|保護メガネを正しく使って安全に回復を
ICL手術後の保護メガネは、デリケートな術後の目を守るために必要なアイテムです。
着用する期間やタイミングには個人差がありますが、基本的には術後1週間程度は昼夜問わず積極的に活用すると安心でしょう 。
その後は医師の指示を守りつつ、生活環境に合わせて無理のない範囲で徐々に外す時間を作って構いません。
ぜひ本記事でご紹介した知識と工夫を取り入れて、正しく保護メガネを使いながら快適に術後の生活を送りましょう。





