ICLの費用は高額?相場と医療費控除・補助金を解説
「ICL手術は受けたいけれど、費用が高額で不安…。」そうお考えではありませんか?
近視や乱視を根本的に解決するICL(眼内コンタクトレンズ)手術は、その優れた視力回復効果から注目を集めていますが、レーシックなどに比べて費用が高いことがネックとなりがちです。両眼で50万円を超える費用は、決して小さな負担ではありません。
しかし、ご安心ください。ICLの費用が高いのには、高機能なレンズと高度な技術といった、明確な理由があります。
この記事は、ICL手術の費用相場や、高額になる理由、そして費用負担を賢く軽減する方法を、医師監修の知見に基づき体系的に解説します。
この記事を書いてくれたのは...
ICLの費用相場は?なぜレーシックより高額なのか
ICL手術は、近視や乱視を矯正する自由診療です。
手術費用が高額であるため、経済的な負担に不安を感じる方は少なくありません。
しかし、ICLが高額になるのには、医学的・技術的な明確な理由があります。
この章では、費用相場と、レーシックなどの他の視力矯正法と比べて高額になる要因を解説します。
1. ICL手術の全国的な費用相場と価格帯
ICL手術の費用相場は、両眼で45万円から100万円程度とされています。
ただし、この価格帯は乱視の有無や使用するレンズの種類によって大きく変動します。たとえば、乱視がない場合の費用相場は、両眼で約45万円~70万円です。
一方で、乱視矯正用のレンズ(トーリックICL)を使用する場合、約55万円~100万円と高くなる傾向があります。
これは、乱視矯正の技術とレンズの製造コストが加わるためです。
そのため、事前に乱視の度数を含めてクリニックに確認することが重要です。
2.ICLが高額になる2つの医学的理由
ICL手術が高額になる主な理由は、使用するレンズの特性と手術の高度な技術の2点です。
まず、ICLレンズは「コラマー」という生体適合性の高い素材で作られています。この素材は体内で異物反応を起こしにくく、非常に安全性が高いのが特長です。しかし、この高機能なレンズはオーダーメイドに近く、製造コストが高くなります。
次に、ICLは眼内にレンズを挿入する「有水晶体眼内レンズ」という手術であり、レーシックのように角膜を削る手術よりも高い精密性が求められます。
つまり、この高度な技術と、万が一の事態に対応するための手厚い保証・ケア体制が費用に含まれています。
3. 広告の料金と違う?含まれる費用と含まれない費用
クリニックによって、提示されている費用に含まれるサービスが異なります。
特に注意が必要なのは、「乱視矯正代」、「適応・術前検査代」と「術後診察代」です。
乱視がある場合、乱視矯正用のレンズ(トーリックレンズ)が必要になり、費用が5万円〜15万円程度高くなることがあります。
また、術前の検査や術後の検診や薬代、さらには再手術が必要になった際の費用(保証)が別途かかるケースもあります。
そのため、費用を確認する際は、「すべて込みの料金か」を明確に尋ねましょう。
MyICLでは全国200以上のクリニックの費用を全て細分化して記載しています。
ぜひご利用ください。
費用の負担を軽減!必ず知っておきたい3つの制度
ICL手術は原則として全額自己負担となる自由診療ですが、国が定めた税制優遇制度や、特定の団体による補助金制度を活用することで、金銭的な負担を大きく軽減できます。
しかし、これらの制度は申請しなければ適用されません。そのため、手術を受ける前に仕組みを理解し、準備することが大切です。
1.医療費控除の仕組みと申請方法
医療費控除は、1年間に支払った医療費の合計額が一定額を超える場合に、確定申告をすることで税金が戻ってくる(還付される)制度です。
ICL手術は「視力回復」を目的としており、この医療費控除の対象となります。申請の基準は、生計を共にする家族全員の医療費の合計が1年間で10万円を超えること(または総所得金額等の5%)です。
具体的には、手術費用の全額が控除対象となるわけではなく、所得から差し引かれる仕組みです。
したがって、申請の際は、クリニックの領収書、交通費の記録、源泉徴収票などが必要となります。
2. 公的保険(高額療養費制度など)が適用されない理由
ICL手術は、公的医療保険(健康保険)の適用外であり、そのため高額療養費制度も原則として利用できません。
公的医療保険は、「病気の治療」のために必要と認められた医療行為に適用されるものです。
一方で、ICL手術は「近視・乱視の矯正」という、生活の質の向上を目的とした自由診療と見なされます。
つまり、病気の治療ではないため、全額自己負担となるのです。
ただし、白内障などの病気が原因でICLと同じ「眼内レンズ」手術を行う場合は、保険が適用される例外的なケースもあります。
3. 自治体や企業の福利厚生制度で補助金が出るケース
国や公的保険の制度以外にも、費用負担を軽減できる可能性があります。
一つは、お住まいの自治体による補助金制度です。すべての自治体ではありませんが、一部の地域では「特定の手術」や「特定年齢層の医療費」に対して独自の補助金制度を設けていることがあります。
さらに、企業や健康保険組合が運営する「福利厚生制度」もチェックすべきです。企業によっては、ICL手術を含む自己負担の医療費に対して、「付加給付」や「補助金」を支給するケースがあります。
そのため、勤務先の総務部門や加入している健康保険組合に確認することをお勧めします。
ICLクリニックの費用を比較する際の注意点
費用はクリニックを選ぶ上での重要な要素ですが、「安ければ良い」という単純なものではありません。
ICL手術は、一生の視力を左右するデリケートな手術です。
そのため、費用と安全性のバランスを慎重に検討する必要があります。
自分にピッタリなクリニックを探すには
ICL手術を行っているクリニックは全国に多数ありますが、それぞれの料金体系は異なります。
費用を比較する際の原則は、「乱視矯正の有無」、「追加料金の有無」と「保証期間」を揃えて比較することです。
つまり、単なる基本料金ではなく、すべての費用を含めた「パッケージ価格」で比較する必要があります。
MyICLでは全国の200以上のICLクリニックの料金や保証期間などを紹介しております。
エリアでも検索できるので、お住まいの地域でICLクリニックをお探しの方はぜひご利用ください。
まとめ|ICLの費用は「視力回復への投資」
ICL手術の費用は決して安くはありません。
そのため、費用相場や医療費控除の制度をしっかりと理解し、費用負担を軽減する方法を知ることが重要です。
しかし、ICLの費用は単なる「出費」ではなく、将来の生活の質(QOL)を高めるための「投資」と捉えるべきです。
メガネやコンタクトレンズのわずらわしさから解放され、長期的に見ればそれらの維持費や時間の節約にも繋がります。
クリニックを選ぶ際には、費用だけでなく、医師の経験やクリニックの体制も考慮し、納得のいく選択をすることが最も大切です。
参考文献
・Rewiew of optometry(詳しくはこちら)





