ICLはコンタクトよりお得?長期コストと健康リスクを医師が比較


IClコンタクト

視力矯正を考える際、「ICL(眼内コンタクトレンズ)」と「使い捨てコンタクトレンズ」のどちらが安いか迷う方は少なくありません。

一見、手術費用の高いICLはハードルが高く感じられます。 しかし、長い目で見るとコンタクトレンズの累積コストの方が高額になる場合があるため、長期的な視点ではICLがお得になる可能性があるのです。 さらに、費用面だけでなく、目の健康や毎日の手間という観点も重要です。 本

記事では、費用対効果、健康リスク、そして生活の質という3つの視点から、両者がどちらが本当にお得か医師が徹底比較します。

この記事を書いてくれたのは...

ICLとコンタクトはどちらがお得?比較の前に知るべき前提

ICL悩む女性

「お得」かどうかは、単純な初期費用の安い・高いでは判断できません。

なぜなら、両者は支払いのタイミングとリスクの所在が全く異なるからです。 コンタクトレンズは「初期費用が安いが、維持費が一生続くサブスクリプション型」と言えます。 一方で、ICLは「初期費用は高いが、その後の維持費がほぼゼロになる買い切り型」です。

つまり、比較すべきは「手術代」と「生涯のコンタクト代」なのです。

また、金銭的コストに加え、目の健康を損なう「生体的コスト」も見逃せません。 角膜への負担や、毎日の着脱にかかる時間もコストの一部と考えられます。

したがって、これらのコストを総合的に見て、どちらがお得かを見極める視点が必要です。

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ICLとコンタクトの仕組みの根本的な違い

ICL解剖

両者の最大の違いは「レンズの位置」にあります。

コンタクトレンズは、角膜(黒目)の表面に直接乗せて視力を補正します。 そのため、角膜呼吸の阻害や物理的な摩擦が避けられません

一方で、ICLは虹彩(茶目)と水晶体の間の「後房」と呼ばれるスペースにレンズを固定します。つまり、目の中にレンズをインプラントするため、角膜表面を傷つけることがないのです。 さらに、レーシックと異なり角膜を削らないため、万が一の場合は取り出して元の状態に戻すことも可能です。

このように、ICLは眼球内の生理的構造を生かした矯正方法と言えます。

費用比較|ICLとコンタクトの総額はどれくらい違う?

ここでは具体的な数字を用いて、経済的な側面から両者を比較します。

コンタクトレンズは1箱あたりの単価が安いため、出費の痛みを日常的に感じにくい傾向があります。 しかし、長期的な総額は数十万円と驚くほど高額になります。 一方で、ICLの手術費用は数十万円単位の一括払いです。

この初期投資の壁をどう捉えるかが、判断の分かれ目となります。 実際にシミュレーションを行うと、ある時点を境にICLの方がお得で安いというコスト逆転現象が見えてきます。

1.年間コスト(1day / 2week)とICL費用の比較

まず、コンタクトレンズの年間維持費を試算してみましょう。

衛生的な1dayタイプを毎日使用した場合、年間で約6万〜9万円程度の費用がかかります。 一方で、2weekタイプはレンズ代こそ安いですが、洗浄液などのケア用品代が必要です。 これらを合わせると、年間約3万〜5万円ほどの出費になります。 つまり、10年間で30~50万円の費用が発生します。

対してICLの手術費用は、両眼で45万〜70万円程度が相場です。 コンタクトレンズ数年〜十数年分の費用を、最初にまとめて支払うことで、その後のコストを安く抑えるのがICLの特徴です。

2. ICLが“長期的に安くなる”ケースとは?

では、具体的に何年でICLの方がお得になるのでしょうか。

例えば、1dayコンタクトを年間8万円で使用する場合、約7〜9年でICLの費用と並びます。 つまり、20代や30代で手術を受ければ、残りの人生数十年分のコンタクト代が浮く計算になります

さらに、近年はコンタクトレンズの価格高騰も続いています。 そのため、損益分岐点は以前よりも早まる傾向にあります。

逆に、たまにしかコンタクトを使わない方や、ご高齢の方の場合は、ランニングコストの安いコンタクトレンズの方がお得になる可能性があります。

健康面で比較|コンタクトのリスクとICLのメリット

費用以上に重要なのが、かけがえのない「目の健康」です。

コンタクトレンズは、長期間の使用で少なからず目に負担を強いることになります。 その結果、将来的な眼科治療で安いどころではない医療費が発生するリスクもあります。

一方で、ICLは目の中にレンズを収めるため、角膜表面への物理的な刺激がありません。 医学的な見地から、コンタクトレンズが持つ健康リスクと、ICLで得られる健康メリットを正しく理解しましょう。 「健康面でもお得」という視点は、非常に重要です。

 

角膜障害・感染症のリスクと医療費

コンタクトレンズ装用で最も懸念されるのが、角膜内皮細胞の減少や感染症です。

角膜は涙を介して空気中から酸素を取り込んでいます。 しかし、レンズが角膜を覆うと酸素不足(低酸素状態)になりやすくなります。 その結果、角膜内皮細胞が減少し、将来的な手術に影響するリスクがあります。

また、ケア不足によるアカントアメーバ角膜炎などは、重篤な視力障害を残すこともあります。 こうしたトラブルが起きれば、治療費や通院の手間も発生します。

それに対して、ICLは角膜を覆わないため、酸素供給が阻害されず、これらのリスクを大幅に低減できます

ドライアイや装着ストレスが減る“生活の質”の変化

ICLドライアイ

コンタクトレンズユーザーの多くが悩むのが、夕方のドライアイや目の乾きです

レンズが涙を吸収したり、蒸発を促進したりするため、不快感が生じやすくなります。 さらに、花粉症の時期にはレンズ汚れによるアレルギー症状が悪化することもあります。

一方で、ICLは生体適合性の高い素材を使用しており、ドライアイの原因になりにくい特徴があります。 また、毎日の着脱やケアの手間がなくなることも、時間的なコストを安くする点です。 QOL(生活の質)の向上は、金額には換算できない大きな価値であり、ICLの大きなお得ポイントと言えます。

こんな人はICLの方がコスパが良い|特徴と判断基準

ICLお得

すべての人にICLが最適とは限りません。

しかし、特定のライフスタイルや目の状態によっては、ICLを選ぶことで、より高いコストパフォーマンスを得られます。 ここでは、どのような人がICLを選ぶと、金銭的にも健康面でもお得になるのか、その特徴を具体的に挙げます。

強度近視・乱視が強い人

強度の近視や乱視がある場合、コンタクトレンズの選択肢は限られてきます。 特注レンズが必要になり、費用が通常よりも割高になるケースも少なくありません。 また、厚みのある眼鏡は見た目や重さが気になり、日常生活での不便さも大きいでしょう。

しかし、ICLは強度近視や乱視の矯正を得意としています。 度数が強くても、見え方の質が安定しやすく、ハロー・グレア(光のまぶしさ)も従来より改善されています。 つまり、視力が悪い人ほど、視覚的な満足度と費用対効果の両方を得やすく、ICLは非常にお得な選択肢と言えます。

毎日1dayレンズを使う人・長時間装用する人

仕事や趣味で、毎日長時間コンタクトを使用する人は、ICLの恩恵を最大化できます。

例えば、毎日使い捨てる1dayタイプは、衛生面で優れる反面、ランニングコストが最も高くなります。 したがって、このようなヘビーユーザーこそ、早期にICLへ切り替える経済的メリットが大きいのです。

日々のコンタクト代を支払うよりも、ICLで安いトータルコストと快適性を手に入れられる可能性が高まります。 眼鏡との併用が苦にならない方は、急いで手術をする必要性は低いかもしれません。

まとめ|ICLは“費用+健康+手間”で見ると高い価値がある

ICLとコンタクトレンズの比較は、単なる「支払額」の違いだけではありません。

初期費用の安さではコンタクトレンズに分がありますが、長期的な維持費、健康リスク、そして毎日の手間を考慮すると、ICLの優位性は明確です。 特に、若いうちに手術を受けるほど、ICLは経済的な恩恵と快適な裸眼生活を長く享受できる、非常にお得で安い選択肢になり得ます。

まずは眼科専門医による適応検査を受け、ご自身の目がICLに適しているかを確認してみてはいかがでしょうか。

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ICL クリニック 迷ったら?

参考文献

・日本白内障屈折矯正手術学会(JSCRS)「有水晶体眼内レンズ(ICL)情報サイト」(詳しくはこちら