ICLレンズは一生モノ?
実際の寿命と交換時期について医師が解説します
ICL手術を検討している方の多くが気になるのが、「このレンズって、ずっと使えるの?」「交換の必要ってあるの?」という疑問です。
今回は、ICLレンズの耐久性や、実際に交換が必要となるケースについて、医師の視点からわかりやすく解説します。
ICLレンズの素材は“半永久的”に使える
ICLレンズに使われている素材は「コラマー(Collamer)」と呼ばれる、生体適合性の高い特殊な素材です。
目の中で長期間にわたり安定しやすく、異物反応を起こしにくいことが最大の特徴。
▶︎ 劣化や変質のリスクが極めて低く、基本的には交換不要です。
つまり、構造的には「一生使えるレンズ」と言って差し支えありません。
それでも交換になる場合ってあるの?
はい、素材自体は一生モノでも、「目の状態の変化」によって交換や取り出しが必要になることがあります。以下が主なケースです:
① 白内障を発症した場合
加齢などにより白内障が進行した場合、白内障手術の際にICLレンズを取り外す必要があります。
ただし、これはICLに限らず、すべての眼内レンズで共通の対応です。
② 近視や乱視が進行して見え方が変わった場合
基本的に20代後半以降は近視の進行が緩やかになるため、術後の視力が大きくズレるケースは少数です。
ただ、視力に明らかな変化が出た場合は、レンズを交換することも可能です。
③ レンズ位置がずれるなど、医師が問題と判断した場合
極めて稀ですが、レンズの位置が不安定になった場合や、合併症が発生した場合には、交換・取り出しを検討することがあります。
「取り出せる」という安心感もICLの魅力
レーシックなどの角膜を削る手術と異なり、ICLは目の中にレンズを入れるだけなので、将来的にレンズを取り出すことも可能です。
これは、ICLならではの大きな安心材料のひとつ。
もし万が一、今後見え方に変化が出ても、「やり直しがきく」という柔軟性があります。
実際の交換頻度は?
→ 交換はほとんどの人にとって「起きない or 数十年後」レベル
現在ICL手術を受けた多くの方は、10年以上経過してもそのまま快適に過ごしています。
臨床的にも、ICLレンズを10〜20年以上使い続けている症例が多数報告されています。
したがって、「数年で交換が必要になる」という心配はほとんど無用です。
医師としての実感
これまでICLを執刀してきた中で、術後にレンズを取り出した方はごく一部です。
しかも多くは白内障のような自然な加齢変化によるもので、ICLそのものに問題があったケースはほとんどありません。
レンズの安定性、安全性の高さには、医師としても自信を持っています。
まとめ:ICLは“一生モノの視力”を提供できる選択肢
- ✅ レンズ自体は交換不要な設計(半永久的に使用可能)
- ✅ 目の状態が大きく変化すれば、交換・取り出しも可能
- ✅ 多くの人にとっては、一度の手術で長く快適に過ごせる
ICL手術は、安心して長期に使える視力矯正法です。
「今だけでなく、10年後、20年後も快適な見え方を保ちたい」という方にとって、非常に優れた選択肢だと言えるでしょう。
🖋️この記事を書いたのは
〇〇クリニック 院長/眼科専門医
〇〇 〇〇先生
ICL手術・白内障手術など視力矯正に関する豊富な執刀経験を持ち、患者様の未来を見据えた視力設計を提案しています。
「安心して長く使えるか?」という観点から、ICLについて正直な情報発信を心がけています。